暗黒日記を付けておけ!

清沢洌に捧げるうんちみたいな文章

ライフオブブライアン

Netflixで見た地球平面説の信奉者たちのドキュメンタリーにてこの映画が紹介されていた。
男が靴を落とすと、男を追いかける信者と化した人々が靴を落とした事に様々な解釈をして宗派が生まれる。
ドキュメンタリーで紹介されていたこのシーンはキリスト教史のメタファーとして秀逸だ。

 

映画の冒頭、訪ねてきた東方の三賢人にブライアンの母親「午前二時に牛小屋をうろつくのが賢いとでも?」で、もうこの映画は面白いと分かり心を掴まれる。
その後は正直に言えば微妙と思えるシーン(僕の教養が無いからか)が続いてしまうがブライアンが信者を獲得してからがこの上なく面白い。
仕込まれたネタの全てが効果を最大限に発揮していて、ラストシーンは決していい絵面では無いが最高の気持ちになれるし、またこの歌がいい。

 

1979年のコメディ映画でこんなに楽しめるとは思ってもみなかった。
勿論、時代や文化や教養によって面白いと感じるものは違うし、この映画を100%楽しめたとは思わないが、今と地続きの面白さは確かに存在する。
笑ってはいけないにありがちな緊張と緩和を活かしたシーンがあったり不条理な笑いや言語化しにくいシュールさと言ったものだ。

 

時代を経れば陳腐なものとなりやすいトーキーのコメディ映画(サイレントは割と面白いのでこう表記)を40年後の無知蒙昧な他国の人間が見てもある程度面白く感じるように作ったモンティ・パイソンの凄さを改めて感じた。